学習能力


これは60過ぎの親父と15年間連れ添った愛猫との回想録である。

猫は人間に例えると2〜3歳児位の知能があるそうなので意外と賢いのである。
コムギを見ていると賢いいやものすごく賢いと思わされる場面がしばしばあった。

まず、トイレの躾などしたことがなかった。
我が家に迎えたその日にトイレ砂の中に飛び込んだと思いきや用を足すでもなくすぐに飛び出て行ってしまったのだが、 その瞬間にそこがトイレであると認識したようである。
しばらくしてトイレを見てみるとちゃんと用を足した痕跡が残っていたのだ。

猫に犬のような芸を教えるのはほぼ不可能と聞くことがある。
確かにテレビに出ているような芸達者な猫はほんの一部なのであろう。

しかし、コムギにも一つだけ出来る芸があった。
「お座り」である、それも決まったシュチエーションに限りであった。

それは、ご飯の器にカリカリエサを入れてほしい時のみ器の前でお座りをするのである。
もちろん初めは何気なく座ったのであるが、そのタイミングで私は「お座り」と声をかけた。
次は前足の付け根当たり、人間で言うとちょうど肩の当たりになるが、そこをそっと押さえるように 力を入れて「お座り」と優しく言葉をかける。

犬であればお尻を押さえてお座りを覚えさせるのだが、猫はお尻を押さえるとなぜかしら逆に持ち上がってくるのである。
そのようにして教える事3回、言葉だけでお座りをするようになったのである。
毎回ご飯の時は器の前でチョコンと座って舌なめずりしながら待つ姿はなんともほほえましく可愛くもあった。

人間の言葉もある程度、理解していたように思う。
理解と言うよりも音で覚えたという感じの方が近いかもしれない。

例えば「ご飯食べる?」と聞くと「ごあ〜ん」と言いながら器の前に座って待つのである。
猫にとって「ご」と「あ」と「ん」は発音できる音である。
私はエサとは言わず、ずっとご飯と言い続けた。
そのことから「ごあん」と言う音を覚えて、それがご飯をもらえる鳴き方だと認識したと思われる。
嘘のようなホントの話である。



Copyright © ★六十親父のにゃんにゃん回想録★ All Rights Reserved.