生態


これは60過ぎの親父と15年間連れ添った愛猫との回想録である。

猫とは誠に不思議な生き物である。
15年も一緒に暮らしていると色々なことが見えてくる
ある時は凶暴な獣のように、またある時は手加減知らずの孫のように、そしてある時は甘えたの恋人のように変幻自在である。

猫には生まれ持っての狩猟本能というものが備わっている。
コムギも例外ではない。
誰が教えた訳でもないのに、ぬいぐるみの首をくわえてブンブンと振り回してから前足で抑え込みあげくに後ろ足で猫キック!
かなりデフォルメされたぬいぐるみなのに、動物の急所ともいえる首を認識しているのである。

また高い所を好むのも生存本能によるものかもしれない。
実際猫界ではより高い所にいる方が、強いと言う暗黙の了解があるようである。
コムギもキャットタワーのてっぺんに登ったときはドヤ顔で人間共を見下していたものだ。

それ以外にも所かまわず高い所に登りたがった。
あげく降りられなくなって「助けろ」と偉そうに私を呼ぶこともしばしば。
誠に獣のようである。

しょっちゅう私を遊びに誘いに来るのだが、前述した通り狩猟本能があるがゆえに、そりゃもういつも派手な遊び方になってしまう。
棒の先に長さ1.5m位の紐を付け、その先に小さなぬいぐるみをくくりつけたお手製の猫じゃらしで遊ぶのが日常になっていた。
その猫じゃらしを上下左右に振るのだが、その動きを凝視しながらお尻を振り振りタイミングを見計らって飛びつくのである。
私も取られまいと上手く動かすので、大体が前足が空を切って捕獲失敗に終わるのである。 ドッスンバッタンその攻防はいつも30分は続く。
手加減なしの孫のようである。

猫は本来夜行性であるが家で飼われている猫は、人間の生活周期に合わせて夜に寝るようになる。
夜も更けてくると大きなあくびをして目をしょぼつかせながら「寝よ」と訴えてくる。

私がベッドにもぐりこむと、後を追って同じように布団にもぐりこんで来るのである。
ある時は私のお腹の当たりにピタッと張り付いて、またある時は腕枕で、そして私の枕に同じように頭を乗せてお互いの鼻息を感じながら眠りに落ちてゆくのだった。
それは、コムギを我が家に迎えた日からの習慣となっていた。
まるで恋人のようである。




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